「金持ち父さん貧乏父さん」読んでみた
大学に入りたての頃はたいへんな世間知らずだった私ですが、東京の一人暮らしでたくさんのことを学んだ気がします。
そのうちの一つが「自分ガチでマネーリテラシーがなくてヤバイ」ということでした。ええ、お金に関する知識そのものを知ったわけではないです。自分が無知だって知っただけです。
ま、無知の知は大事ってソクラテスも言ってたみたいだし、これだけでも大きな進歩と思いたい(????)。
そんなわけで、最近はちょっとずつお金の勉強をしており、FPの勉強やらお金に関する名著をとりあえず読み漁るなどしています。
今回選んだのは「金持ち父さん貧乏父さん」。
何度も聞いたことがあったし、とりあえず読んどきました。
「金持ち父さん貧乏父さん」概要
「金持ち父さん貧乏父さん」は、筆者ロバート・キヨサキの子供時代の回想録のような形(ホントはフィクションらしいです)で入ります。
筆者のお父さんは良い教育を受けて教師になるという、ごくごく一般的な人生を歩んできた人で、貧乏。一方で友達マイクの父親はたしか高卒だったものの、自分でビジネスを起こして経済的余裕を得た人。
筆者は貧乏父さんと金持ち父さんを比較しつつ、何度も「金持ち父さん」になるべきだと説いてきます。
その具体的内容をまとめると、
・立派な学歴を得て真面目な勤め人になれば裕福になれるというのは嘘。
大抵の人は稼いでは請求書を支払う「ラットレース」から、一生抜け出せない。
・金持ちになるには、所得を勤労所得ではなくポートフォリオ所得や不労所得にシフトさせなければならない。
・いかに専門的で素晴らしいスキルがあっても、それを売るための技術(営業・マーケティング)がなければ売れない。
・金持ちになるには、ファイナンシャル・リテラシー、投資力、法律力が必要。
とまぁこんな感じです。間違ってるところもあるかも。
読んでみた感想
文章は素晴らしいのにあんまり売れてない女性作家の話は面白かったです。
筆者が本を売るにはセールスやマーケティングの勉強をしたほうがいいですよって言ったら、「セールス(営業)をやるのが嫌だったから専門的な職を選んだのよ!」って激怒する場面笑。
一昔前まで営業が花形職業だった日本では、営業ってイケてない仕事だとは思われてませんが、海外(海外にも色々あるけど主に欧米)では「セールス」といえばアンプロフェッショナルで微妙な職業なんでしょうね。
ちなみに海外では専門的な職業はとそうでない職業はビミョウと思われてると思います。専門的な職業につけるよう、大学生は必死こいて勉強するんですよね。化学専攻のドイツ人友人も「少なくとも修士とらないとお仕事ないんだ」って悲しそうにしてました。
一方日系企業はまだまだ「メンバーシップ型」就職。就職というか就社。
私はそれが嫌でずっと法務職の就活を続けていました。専門的な職業につくべきっていう海外の考えに染まってましたし、一定の環境に縛られることが嫌いなので、手に職をつければライフスタイルに合わせて転職することができてより自由人人生を謳歌できると思ったからです。
でも、「金持ち父さん貧乏父さん」は、セールスやマーケティングを含めて広く浅く学ぶべきって言ってました。
専門スキルだけでは、一生勤め人としてラットレースに参加するしかなく、ビジネスや投資で生きるには広く浅い知識が必要だと。勉強をするため仕事をしてもよいのだとも。
筆者の言う通り自分のビジネスや投資で生きるなら、いろいろな部署にジョブローテしてくれる日本の企業はむしろ好都合なんじゃないでしょうか。
「マジで営業とかイヤだ1ヶ月で盲腸になる」とか思っていたんですが、商品を売り込むすべを知るっていうのもまあ必要なのかも。喋るの苦手なので一生営業は願い下げですが。。
まとめ
「金持ち父さん貧乏父さん」、とても面白い内容でした。
冗長だなぁって思う部分もありましたが、人とはちょっと違う方法で稼ぐぞ!と意気込む程度にはインパクトのある内容でした。
ただし、筆者のようにリスクをとって自分で会社経営したり投資したりする度胸があるかって言われれば今のところ全然ない。勤め人には勤め人なりのメリット、つまり安心感があります。
あと、本書はどちらかというと哲学的な内容で、具体的に金持ちになるためのステップは書かれていないので、本当にキヨサキ式に稼ぐなら他の「金持ち父さん貧乏父さん」シリーズを読むなりする必要があります。